脳神経科
脱力、虚脱(力が入らない、ふらつくなど)、易疲労性(疲れ易い)、眼振(目が揺れている)、斜頸(首が傾いている)、失神、発作(けいれん様発作、)認知機能不全(昼夜逆転してしまい夜寝れない、ずっと徘徊しているなどの症状)の症状が現れた際は、脳神経の異常の可能性が考えられます。
脳神経系の検査
神経学的検査:視診や触診が主になります。意識状態、歩様、姿勢の観察、姿勢反応、脊髄反射、脳神経検査などにより、認められている症状が神経系の異常によるものか、神経以外の問題であるものかを調べます。また病変がどこに認められるか(局在診断)も同時に行います。
血液検査
一般検査により、ふらつきや発作などの神経症状と間違い易い、血液上での異常がないかを検査します。
例えば、低血糖、電解質異常(高カルシウム、低カルシウム血症、ミネラルの異常など)、高アンモニア血症(肝性脳症)、腎臓からの毒素によるもの(尿毒症)、甲状腺機能低下症などがみられないかどうかの診断に用います。
画像検査
レントゲン検査
先天性骨奇形、椎間板脊椎炎などの診断に用いられます。また、水頭症の診断にも用いられることがあります。
また骨折や脱臼などの他の整形学的疾患との鑑別にも用いられます。
麻酔を基本的には必要としない検査です。
MRIやCT検査
脳神経の疾患の多くの確定診断がMRIやCTの全身麻酔下による高度画像診断が必要になる場合が多いです。
当院にはMRI、CTの施設がありませんので、ご希望される方には二次診療へのご紹介をさせていただいております。
*麻酔下で脳脊髄液の採取も行い、脳炎の診断に用います。
*診断名:椎間板ヘルニア、脊髄空洞症/キアリ様奇形、馬尾症候群、変性性脊髄症、水頭症、てんかん、脳炎、脳腫瘍(髄膜腫、リンパ腫など)、前庭疾患
認知機能不全のテスト
:犬にも加齢とともに認知症が診られるということが分かっています。一般的に、加齢に伴い脳の機能は衰えますが、認知症の場合はその衰えが正常な加齢の範囲を超えて認知機能が低下します。他の病気が隠れていることもあるため、年齢によるものだと決めつけず早めに獣医師に相談することが重要です。
認知症かどうかの簡単な問診のテストがあります。早期発見を行い、適切な治療を行い、健康寿命を延ばしていきましょう。