腫瘍科

そのおでき、肥満細胞腫かもしれません!!?

昨年の12月頃、我が(獣医師 齋藤)家の凛ちゃんの左目頭に赤い2mmほどの小さな膨らみを見つけました。

左目頭のおできです。顔を触られるのが好きなので全然平気で見せてくれました。偉い!

 

ガラスの板に患部を擦り付けるスタンプ検査を行うと・・・なんと、肥満細胞が多量に採取されました。そう、この膨らみ肥満細胞腫だったのです。

肥満細胞腫とは、肥満細胞由来の悪性腫瘍です。

猫ちゃんの肥満細胞腫は、大きく「皮膚型」と「内臓型」に分けられます。

凛ちゃんに見られた皮膚型の肥満細胞腫は、猫ちゃんの皮膚腫瘍の15-21%を占め、比較的発生の多い腫瘍です。

猫ちゃんの皮膚型肥満細胞腫は悪性腫瘍ですが、その多くが良性の挙動を示すと言われています。つまり、多発したり、転移する可能性が低いということです。

ただ、中には皮膚の広い範囲に多発したり、内臓に転移することもあるので非常に厄介な腫瘍です。

皮膚型肥満細胞腫の治療は、基本的に手術による摘出が1番です。

肥満細胞腫は、周囲に根を張るように広がっているため、極力腫瘍の周りを大きく切除することが再発防止に有効とされています(猫ちゃんの場合、余裕を持たせなくても変わりはないという報告もあります)。

凛ちゃんは、場所が目頭だけあって余裕をもって切除することが困難だったため、鎮静と局所麻酔をかけてトレパンという道具を使って切除しました。

鎮静をかけられてしょんぼりしている凛ちゃんです。しょぼーん。

 

幸いにも、凛ちゃんのおできは今回の処置でしっかり取り切れていて、今のところは再発もありません。

このように、数mmの小さなおできでも悪性腫瘍のことがあります。

お家の子の身体にあやしいおできがないか、日頃から身体をよーく触ってチェックしてあげてください。

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