腫瘍科

猫の乳腺腫瘍ってどんな病気?知っておきたい6つのポイント

こんにちは!今回は、猫の乳腺腫瘍についてお話しします。

「なんだか聞きなれない病名…」と思った方も多いかもしれませんが、これは特に高齢のメス猫に多く見られる病気で、発見が遅れると命に関わることもある怖い病気なんです。

でもご安心を!早めに知って、しっかり備えておけば、愛猫を守ることができます。このブログでは、乳腺腫瘍の基礎知識から症状、治療法、そして予防法まで、わかりやすくまとめてご紹介します。

 

乳腺腫瘍ってどんな病気?

猫には左右に4対(合計8個)の乳腺があります。この乳腺のどこにでも腫瘍ができる可能性があり、そのうち約80〜90%が悪性(いわゆる乳がん)といわれています。

悪性腫瘍は、肺やリンパ節などへの転移リスクが高く、完治が難しいこともあるため、とにかく早期発見と予防が重要なんです。

特に注意したいのが、避妊手術をしていない高齢のメス猫。ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)が関係していると考えられており、まれにオス猫や若い猫にも発症することがあります。

 

どんな症状が出るの?

初期は無症状のことが多く、気づきにくいのがこの病気の厄介なところ。

でも、以下のような変化が見られたら要注意です。

・しこり:乳腺付近に小さくて硬いしこりができる。触っても動かないことが多いです。

・皮膚の変化:赤み、腫れ、潰瘍など。

・分泌物:乳頭から血や膿のような液体が出てくる。

普段のスキンシップのときに、「あれ?こんなところにしこりが?」と気づく飼い主さんも多いので、日常的なボディチェックはとても大切です。

 

どうやって診断するの?

乳腺腫瘍かどうかを調べるには、以下のような検査を行います。

・細胞診:しこりから細胞を採取して、良性か悪性か調べる

・生検:組織を一部切り取って詳しく検査

・画像検査(レントゲン・超音波):転移の有無を確認

・血液検査:猫の全身状態を把握する

悪性と診断された場合、どこまで広がっているかが今後の治療方針に大きく影響してきます。

 

治療にはどんな方法があるの?

治療方法は、腫瘍の種類や広がり、猫ちゃんの年齢や体調によって変わります。

主な選択肢はこちら

・手術:腫瘍とその周囲の乳腺を取り除く。片側または両側全摘出が必要なこともあります。

・化学療法:手術後の転移予防や、手術が難しい場合に使います。

・放射線療法:あまり一般的ではないですが、一部の症例で使われます。

早期発見であれば、手術だけで完治する可能性もあります。進行してしまうと治療が難しくなるので、定期的な健康チェックが命を救うカギなんです。

 

予防できるって本当?

実は、早期の避妊手術が最大の予防法なんです!

初回の発情前に避妊手術をすると、発症リスクは約91%減少

2回目の発情前でも約86%の予防効果

それ以降になると、残念ながら予防効果はあまり期待できません。

(出典:キャットリボン運動HP https://catribbon.jp/learning/)

また、定期的な健康診断や、日々のスキンシップでの観察も大切な予防法です。

 

飼い主さんにできること

猫は痛みや不調を隠すのがとても上手。だからこそ、「なんかいつもと違うな」と感じたら、迷わず動物病院へ!

避妊手術をしていない猫ちゃんと暮らしている場合は、リスクを理解して、早めの対策を考えてあげることが大切です。

愛猫の健康は、飼い主さんの「気づき」から守られます。日々のふれあいを大切にしながら、ちょっとした変化も見逃さないようにしていきましょう!

 

最後に

このブログが、猫ちゃんの健康を守るヒントになれば嬉しいです。

不安なことや気になる症状があるときは、どうか一人で悩まずに、すぐに獣医さんに相談してくださいね。

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