🐾猫の甲状腺機能亢進症について🐾 〜高齢猫に多いホルモンの病気〜
甲状腺機能亢進症とは?
甲状腺は首のあたりにある小さな臓器で、体の代謝をコントロールする「甲状腺ホルモン」を作っています。
「甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)」とは、このホルモンが過剰に分泌されてしまう病気で、主に10歳以上の高齢の猫に多く見られます。
高齢の犬ではこのホルモンが作られない「甲状腺機能低下症」がよくみられます。
詳しくはまた別の機会にご紹介します!
主な症状
以下のような変化が見られたら、注意が必要です。
・食欲があるのに体重が減ってきた
・よく鳴く、落ち着きがなくなる
・活動量が増えてじっとしていられない
・性格が怒りっぽくなる
・嘔吐や下痢が続く
・被毛がぼさぼさになる、毛づやが悪くなる
・多飲多尿(お水をたくさん飲み、おしっこの量が増える)
これらの症状は加齢や他の病気と見分けがつきにくいため、定期的な健康診断がとても大切です。
診断方法
血液検査で甲状腺ホルモン(T4)の値を測定します。
必要に応じて、腎機能や心臓の検査など追加のチェックを行うこともあります。
早期発見できれば、猫ちゃんの体への負担を抑えながら治療を進めることが可能です。
治療方法
猫の状態に合わせて、以下のような治療法を選択します。
・内服薬(甲状腺ホルモンの分泌を抑える)
継続的な投薬と定期的な血液検査が必要です
・食事療法(ヨウ素制限食)
お薬が難しい猫に適している場合があります
・手術(甲状腺の摘出)
一部のケースで検討される選択肢です
※放射線治療(アイソトープ治療)という選択肢もありますが、専門施設での対応が必要です。
飼い主さんへ
甲状腺機能亢進症は、適切な治療を行えば良好にコントロールできる病気です。
高齢の猫ちゃんが「元気すぎる」「食べているのに痩せる」「怒りやすくなった」と感じたら、ぜひ一度ご相談ください。
当院では、シニア猫の健康管理をサポートする健診プログラムもご用意しています。 お気軽にスタッフまでお声かけください。