虫を吐いた!!下痢が治らない!?~寄生虫の可能性~
生後一か月くらいのわんちゃんが、虫を吐いたという主訴で来院されました。
血が混じった軟便も出ている、ということで検便したところ、たくさんの虫卵が発見されました。
こちらは犬回虫という寄生虫で、この子の場合は母親から感染した可能性が高いです。
犬回虫の感染経路としては、母体からの胎盤感染・乳汁感染、体外に排泄された虫卵の経口感染が考えられます。
小田原市には回虫が多いと言われています。ノラ猫さんが多いエリアには猫回虫も多く、犬や人にも感染する人獣共通感染症(人にも感染する可能性があります)なので、注意が必要です。
人が回虫の虫卵を経口摂取した場合、肝臓や皮膚・目などに寄生し、最悪の場合失明したり手術が必要な場合があります(トキソカラ症)。
また、一言で回虫、といっても犬回虫・猫回虫・犬小回虫など細かい分類ができます。
回虫は線虫の仲間で、糸状虫(フィラリア)、鈎虫、住血線虫、鞭虫、糞線虫、アニサキスなど線の様な虫が含まれます。
他にも、大きい分類でいうと寄生虫には様々な種類があり(吸虫類、条虫類、原虫類、昆虫類、ダニ類など)寄生虫を介して人やわんちゃん、猫ちゃんに感染するウイルスなどもいますので、予防がとても大切です。
必ず定期的な予防をし、わんちゃん猫ちゃんはもちろん、人の健康も守りましょう!
中には予防できない寄生虫もいますので(マンソン裂頭条虫など)少しでも気になる症状がありましたら、ご相談ください。